コーヒー樹の寿命をご存知ですか? 品種にもよりますが、通常、苗木が圃場に移植されてから2年~2年半で赤い実を付け出します。そして一人前の成木といわれるのは5年目以降です。そして成木より約450gの生豆が産出されます。現在は品種改良がなされカツアイやカチモール種といった倍以上の生産量を誇る品種もありますが、ブルーマウンテン地区では現在でもコーヒーの原種に一番近いとされているティピカ種を栽培しております。このティピカ種は品種改良種に比べ、生産量は劣りますが大粒で充実した高品質な豆を産出します。
コーヒー樹は5年目よりフル生産を続け、10年を境とし老齢期を迎え徐々に生産量は減ってきます。しかし人間同様に老いても益々元気な樹や、若くして老け込む樹などすべてが同じではありません。 ジャマイカでは一般に10年目をメドに根元より30cmの処から幹をバッサリ切り倒すカットバックと言う若返りを行います。若返りを行なわれた樹はカットされた部位より新芽を出し、生産を開始します。
カットバックの場合には既に根部がしっかりしていますので、翌年より生産を開始します。カットバックは樹勢をみながら数回行い行なわれ、一本の苗木は約20年~25年間生産を続けます。最後には新芽をだしても十分な生産を行なうことが出来ず、その生産樹としての役目を終え、新しい苗木に植え替えられます。しかし、トラは死んで皮を残し、人は死んで名を残すと言われますが、コーヒー樹はそのカットされた幹が杖や民芸品の材料として再利用される事もあります。チャンスがあれば一度さがして見て下さい。