その土地の条件にもよりますが、多くの場合、コーヒーの木の間にSHADE TREE(日陰樹)と呼ばれる木が植えられています。植物は水と二酸化炭素を吸収し、光合成によって炭水化物を生産し、成長のエネルギーとしています。
コーヒーは、コーヒーベルトと呼ばれる日差しの強い熱帯地域での栽培が盛んではありますが、本来コーヒーの木は、林の中に生える下層植物で、日陰で生育する特性を持っているのです。
コーヒーの葉に日光が当たり葉の温度が上昇すると、葉の裏にある気孔が閉じ二酸化炭素を吸収できなくなります。すると炭水化物が生産されなくなり、植物の成長は停止してしまいます。
それでバナナの木などのSHADE TREEによって適度な日陰を作り、生育に適した環境を作り出しているのです。SHADE TREEには豆科の高木が多く使われていますが、ジャマイカではバナナも使われています。
バナナは成長が早く大きな葉を持っているので、早く効果が期待できるのと、バナナの実も重要な副産物となるので、一石二鳥というわけです。